2019/3 超特急 音楽文備忘録

2019年は超特急の年だ。

去年末の11月に3rdアルバム「GOLDEN EPOCH」をリリースした。直訳すると『黄金時代』。メンバーが多くのメディア媒体でコメントしている通り、このアルバムで黄金時代を築きあげていく意味がアルバム名には込められているという。

 

 

 

アルバム1曲目のリード曲「need you」からすぐ、彼らがこれまでに歩んできた道のりとこれからの時代を進んでいく決意が感じられる。超特急は「ダサかっこいい」というコンセプトのもと、今まではPOPな楽曲に特徴的な振り付けをしオーディエンスにインパクトを与えるものが多かった。容姿端麗な6人組が、キャッチ―な曲を変顔しながらどこかダサい振り付けで全力で踊り歌うことで、私が彼らを初めて見たときは度胆を抜かれると同時にどこか親近感を覚えていた。

しかし「need you」はピアノイントロから始まり音数が少なく、従来の超特急にはなかった曲調だ。ボーカルの7号車タカシは儚げに力強く丁寧な歌い方をする一方、ダンサーの2~6号車は感情を爆発させるように踊る。そこにはダサかっこいい姿はなく、ただただ伝えたいなにかをダンスを通じて訴える姿にみえた。need youの振り付けはダンスリーダーの5号車ユーキが、欅坂46の振り付けなどでも知られるTAKAHIROと共作で考えているのだが、ユーキは「振り付けに結成当初からの想いをすべてぶつけた」と語っていた。Bメロではダンサーメンバーの歴代のセンター曲の振り付けを新しい曲から交互に展開していき、だんだん過去へと戻っていく。その後のサビでは歌詞がなく、音だけの空間の中でボーカルを含めた6人で踊る。メインダンサーバックボーカルグループという、過去にない唯一の道を進んできた彼らにしか見せることのできないパフォーマンスだ。

ミュージシャンは自分の伝えたいことは歌詞に起こし、曲を作り、私たちに届けてくれる。超特急は自分たちで、このリード曲こそは作っていないけれども、見てくれる人たちに伝えたいことをダンスとして最大限に表現し届けてくれる。そこには音を聴くだけじゃ伝わりきれない、見て感じるものが確かにある。私が元々超特急にハマったきっかけはフェスで彼らを見てそのパフォーマンスに圧巻されたからだったが、「need you」で改めてきっかけを思い出すことができた。今までのダサかっこいい路線を否定するのではなく歩んできた道を踏まえたうえで、新たな時代へ進もうとしている決意をこの楽曲から感じられた。

 

 

 

「GOLDEN EPOCH」を聴くうえで外せないのは「超特急です‼‼‼‼」だ。この曲は6号車ユースケが初めて作詞作曲に携わった楽曲である。元々2017年末のアリーナツアー時にファンクラブ会員限定で音源自体は発表されていたのだが、そこから約1年の時を経てようやくアルバムに収録され、多くの人に聴く機会ができた。私は2017年末に初めて聴いたとき、可愛い曲だなぁという感想だった。ユースケが言っていた“超特急を広げるための名刺代わりになる曲”という通り、歌詞にはメンバー1人1人の自己紹介が好きな食べ物と一緒に入っていたり、普段は歌わないダンサーのメンバーもセリフやコーラスとして参加していたりと、超特急らしくわちゃわちゃしている。曲自体はアップテンポな曲調で、ももクロなどの作曲歌として有名な前山田健一が編曲していることもあり、コール&レスポンスが多く打てる終始盛り上がっている曲だ。一度聴くと耳から離れないサビ部分や、メンバーが歌うというよりは叫んでいる箇所もあり、聴いていると思わず笑いがこぼれてしまう。タイトル名でもある「超特急です」をコール&レスポンス部分では何度も歌わせるし、実際2018年末のライブでアンコールとして披露した際には、会場が一体となってコールしメンバーも体力をすべて使い切るほどのパフォーマンスをし、ライブ全体を通して一番熱狂の渦に巻き込まれていた。

だが、2回目3回目と繰り返し聴いていくうちに、ユースケの紡いだ歌詞や彼らの歌声から想いが伝わってきて、気づいたら涙がこぼれていた。今流行りの言葉でいうと「エモい」の一言で片付けられてしまうのかもしれないが、片付けたくない。エモーショナルだし感傷的で情緒溢れるけれどもそれよりももっと、言葉では言い表しにくい高揚感と加速感、そして威圧感を感じた。曲を聴きながら歌詞を改めて思い返してみると決して楽しいだけの曲じゃないことが分かる。自己紹介ソングではあるのだが、彼らの決意が痛いほど伝わってくるのだ。

 

 

止まらない 止まらない 君がいるから

見せたい景色が 溢れ出して

ラクしない やり遂げろ 世界に届けろ

 

 

ラクしない』という言葉を公言的に自分たちに言い聞かせるグループを初めて見たし、聴いたときに少し違和感を覚えた。ラクをする、ということ自体は悪いことではないと社会人になったとき会社の上司に教えられたことがある。普段の生活を過ごしやすく「ラクをする」ために、今までに存在しなかった新たな製品やアイデアは生まれ、私たちの日常はより便利なものへと進化してきた。世の中がIoT社会へと変化しているのは、人々が「ラクをしたい」ために環境が変わってきているのだと思うし、仕事ではラクをするために苦しんでいることが多々ある。

だが、ユースケは『ラクしない』ことを初めて作詞した曲のサビで伝えてきた。傍から見たらアーティストがラクをしているかしていないかなど分からないし、結局は自己判断だ。『手を抜かない』でもなく『サボらない』でもなく『ラクしない』という言葉で表現した彼は、私がいつも見ているブレのないそのままの姿で安心したし信頼できた。

また、ラスサビには次のような歌詞がある。

 

 

好きだから 好きだから やめられないの

僕たちの音楽を たくさんのピーポーに

広げたい 広げたい 世界に広げよう

唯一無二のチーム その名も僕たちは 超特急です

 

 

ユースケにとって超特急の活動はラクしないものであり、好きだからやめられないのだ。

やめられないほど好きで、ラクを望んでいない。この歌詞から単にグループ愛だとか売れたいだとかいう以上に、気迫や執念がひしひしと伝わってきた。語弊を恐れず言うと、超特急に対して必死にしがみつくと同時にこれしかないという縋る想いも感じられた。

また、その想いがあまりに大きくて受け止める側も覚悟が必要だと思った。メンバーが自分たちのファンのことを8号車と呼びいつも、8号車含めて超特急である、と言い続けてくれる所以を改めて痛感したのだ。

もちろんそこまで深く考えず覚悟を伴わない応援の仕方だって間違いではないし、受け手によって捉え方も変わるので大きく意味することではないのかもしれない。けれども私は、彼らが覚悟をもって表現してくれている姿を見て、こちらも負けたくないなと思うし広めたい気持ちが溢れ出てきてしまう。再度音楽文に投稿し語りたいという厄介な自己欲により、文を打つこの手は止まらず文章も拙くなってきた。グループに対してメンバーとファンお互いに熱があり、この良い意味での負けない緊張感こそが私が超特急を好きである最大の理由かもしれない。

 

 

 

去年の夏に発売した15thシングル「Jesus」のカップリング曲で「SAIKOUKOUSHIN」という曲がある。メンバー全員が分担して作詞に携わった楽曲で、超特急主催の夏フェステーマ曲ということで彼らがライブに対する心情を詩に起こしたと語っていた。

 

 

命を燃やすより魂を燃やせ

悔いなき選択をせよ

さぁ行こう更新

俺らこそ唯一無二

心通わせ 最高更新

 

 

私が一番好きな歌詞で、リーダーの3号車リョウガが作詞したパートだ。『命を燃やすより魂を燃やせ』に、彼らのライブに対する感情がすべて込められていると感じた。精神論に近く、先ほどのユースケの『ラクしない』と通じる部分がある。ライブでパフォーマンスする彼らはいつだって全力全身でフルスイングだが、もっと根本的な魂の部分でも身を削っているのだろう。変化すると今まで付いてきてくれたファンが離れてしまうかもしれないけれども、変化を恐れていたら彼らの目標には届かないかもしれない。変わることと変わらないことは表裏一体であってどちらも同じくらい選択するのが難しい。その中で悔いなき取捨選択をし、夢を掴み取ろうと彼らを見ているとこちらの魂が揺れ動く。

 

 

 

高校生の時、スペシャのパワープッシュでTHE BAWDIESの「IT’S TOO LATE」を初めて見たとき衝撃を受けた。それまでもバンド音楽はずっと好きだったが、日本人でこんな声を出せる人がいることに驚いたし、何より迫力が凄くライブを生で見たいと思った。長野の田舎に住んでいた当時、片道4時間かけて高速バスで東京に来てリキッドルームで見たステージは10年経った今でもはっきりと覚えている。オーディエンスが各々音に合わせて好き勝手に踊って楽しんでおり、BAWDIESを初めて見られたことに感動したけれどそれよりライブハウスの空間に軽くショックを受けたのだ。周りは知らない人ばかりで普段の生活を過ごしていく中では決して出会わない人たちと、同じ音楽を共有し楽しむ。今まで知らなかった世界を悔やむと同時に出会えて良かったと心から思った。それはフェスで初めてスカパラを見たときも同じで、周りの目を気にしないでモンキーダンスする人もいればスカを踏んでいる人もいて音に身を委ねていた。慣れないうちは怖かったけれど、それでもライブ会場にいるときはどこよりも生きていることを実感したし日常を忘れることができた。

そんなライブに行き始めた頃のドキドキを再び思い出させてくれたのが超特急であった。魂が震えるライブは大人になっても味わうことができる。自分の知っている音楽が全てだったときに、まだ知らない世界を教えてくれ新しいレールに連れて行ってくれた。初見ではこんな火傷するくらい熱いレールが敷かれているとは到底思わなかったが、鈍行列車よりは暴走列車くらいがちょうどいい。超特急はグループ名を英語表記するときに「BULLET TRAIN」を使っているのだが、BULLET TRAINは直訳すると弾丸列車。魂を燃やしながら走り続ける弾丸列車は誰にも止めることはできない。

 

 

気持ち先走んな時代先走れ

僕らはまだ誰も走らないレールの上行くんだ

一緒に行こうよ 連れて行くから

乗り遅れないでね

 

 

ライブのアンコール「走れ‼‼超特急」で彼らはいつも導いてくれる。最高を更新し、探し求めていたものを掴んで進む全盛期は今だ。超特急の黄金時代はもう始まっている。

2018/6 超特急 音楽文備忘録

あなたは「超特急」というグループを知っているか。この投稿を読んでくれている人の中には「名前くらいは聞いたことがある」「ああ韓流グループだよね?」と思う人もいれば、名前すら聞いたことがない人も恐らくいるだろう。現に私も一昨年の秋までは「ももクロと同じ事務所の男性アイドルのことだよなぁ」くらいの認識であった。

 

 

元々、中学生のときから今まで約10年以上ロッキンオンジャパンを定期購読し学生時代はロックに育てられ、社会人になっても毎年夏冬は必ずロックフェスに行く自分にとって、超特急とは触れることがない別次元の世界でさえあったのだ。アイドルについても、フェスで見かけるももいろクローバーzやでんぱ組.inc等はライブが楽しく曲も好きではあったが、あくまでも「ロッキンやサマソニに出ている」というステータスを持つ彼女達を好きな部分があり、自ら好きな若手を新たに探し出すほどアイドル文化にハマっていたわけでもなかった。

 

 

そんな中2016年の秋、多くのアイドルが出演するフェス“@Jam”に「でんぱ組も出るしフェスだからご飯食べながら楽しめればいいか」くらいの軽い気持ちで会社の先輩に連れられ参加したのだが、そこで初めて超特急に出会った。

 

 

ここでそもそもの超特急の説明を手短ながらさせていただく。超特急とは、日本の音楽グループ、所属事務所はスターダストプロモーションでレコードレーベルはSDR。ダンサーが前方、ボーカルが後方でパフォーマンスを披露する「メインダンサーバックボーカル」スタイルや楽曲毎にセンターを務めるダンサーが変わることが特徴(Wikipediaより参照)。Wikipediaの説明のままでも充分だが少し補足させてもらうと、今年で結成6周年なのだがグループ名に基づいてメンバーは2号車~7号車となっており、それぞれ担当や担当カラーまである。ファンは8号車と呼ばれ、メンバーとファン全員が合わさって8両編成の超特急なのだ。(元々は1号車がいて7人グループだったのだが、2018年4月に超特急脱退を発表し現在は6名で活動中)

その中で5名がメインダンサーで1名バックボーカルという立ち位置である。「メインダンサーバックボーカル」スタイルとはなんじゃそりゃ、と感じると思うが、簡単に言うとEXILEの逆バージョンと考えていただければ分かりやすいだろう。

そして元メンバーの1号車コーイチこそが本来はここで私が紹介したかった超特急の魅力を語るのに必要不可欠で、ロック畑から別次元に私をひきずりこんでくれたきっかけでもあったため、ここでは当たり前のように名前を出していくことを了承いただきたい。

 

 

では、@Jamに話を戻すのだが、初めて超特急を見たとき掴みのOVERTUNEで一気に惹かれた。OVERTUNEとはアイドルのライブでは当たり前に使われる登場曲のことなのだが、超特急の場合、電車とかけて「ご乗車ありがとうございます」のアナウンスが流れ汽笛音とともにガッタンゴットンという車両の走行音が流れる。これだけで今まで味わったことのない何かが始まる期待と少しの緊張がこみあげてきた。そしてメンバーが登場し、ライブが始まる。私は前提知識がなかったのでボーカルよりもダンサーがセンターで目立っている姿にびっくりしたし、何よりボーカルの歌が本当に上手い。アイドルのことをよく知らなかったので口パクを疑うこともあったし、歌わされているイメージがテレビを見ていてどうしてもあった。しかし、超特急のバックボーカル2名が歌うところを見ると、歌詞を変えてみたりフェイクをかけたり見ているこっちが苦しくなるような気持ちを込めて歌う姿もあり、感情が揺さぶられ続けた。特に1号車コーイチの歌い方は、アレンジがきいて生のグルーブを本人が一番楽しんでおり、見る者を惹きつける才能がある。彼から音楽への愛情がダイレクトに伝わってきて、私の知っているアイドルの歌唱力を遥かに超えてきた。

また、歌唱力だけでなくメインダンサーの魅力も私には体験したことのない未知との出会いであった。バンドが好きな自分にとって音がすべてでダンスには全く興味がなかったのだが、超特急のライブはダンサーがいることで成り立つ。メインダンサーというだけあって曲によって振りだけでなく表情までガラリと変わり、盛り上がる曲では全身全霊をかけて踊りながら叫ぶ。ここでいう叫ぶ、とは意味が分からないと思うが気になった方には一度“バッタマン”とう楽曲でライブ映像を検索してみてほしい。メンバーが口を揃えて「自分たちにとってはライブがすべてで、魂を削るほど常に全力で取り組んでいる」と断言するほど、彼らにとってライブとは踊る場所であり、叫ぶ場所であり、命をかけている場所でもあるのだ。また、8号車(ファン)もその想いに応えるように全力でコールし振りを完コピしながら盛り上げる。男性アイドルの現場でイメージしていた双眼鏡片手にうちわを手に持って応援、という姿はそこにはなく、女性ファンがほぼ8割であっただろうにペンライトを手に声を出しながら踊り続けている。そんな超特急を初めて見たとき、なによりもロックを感じたし単純にライブがとても楽しかった。

 

 

それからというもの、超特急の音源や映像を片っ端から購入しメンバーのこともだんだんと知るにつれすっかりハマってしまい、今ではロックバンドのワンマン、フェスに行くより超特急のライブに行く回数の方が倍以上に増えている。超特急に出会って1年半が過ぎ、元々アイドルには興味もなかった自分が以前からは想像もできない(学生時代の友人には変わったね、と最近よく言われる)ほど、超特急にのめり込んだ理由の一つとして彼らの人間性・ストーリー性も挙げられる。

 

所属事務所のスターダストにはももいろクローバーzや私立恵比寿中学、チームしゃちほこなどロックインジャパンフェスにもお馴染みの女性アイドルが数多く所属し、男性グループでもEBIDANと呼ばれる、簡単に言うとスターダストの男性若手集団が存在する。超特急はそのEBIDAN発足時の初期メンバーである。先輩がほとんどいない中でインディーズデビューをしたのだが、デビュー当時は「リスペクト韓流ジャパニーズPOP」というコンセプトのもと活動していた時期もあり、本人たちもインタビューの中で前例がないため試行錯誤しながら必死に進んでいた、と語っていた。

アイドル文化自体はAKB48が2010年頃に爆発的に売れたことにより、アイドル戦国時代とも呼ばれ社会現象にもなっていたが、それはあくまでも女性アイドルの世界であって、男性グループにはまだまだ厳しい世界だった。そんななかで、他のグループに負けないためにメンバーは自分たちで居場所を探し試行錯誤しながら超特急を作り上げていった。リーダーが活動途中で交代するというグループとして前代未聞な出来事や、6号車ユースケは変顔で叫び続ける自分のパフォーマンスに悩んだ時期もあった。続けることの意味を見出し、ようやく「超特急」が見えた彼らには幾つもの壁があって、そこにはフェスに出るようになってから知った私では分からない苦労があっただろうし、そんな時代から支え続けたファンがいたからこそここまでこられたのであろう。

メンバーも誰よりもそれを分かっていてファンのことを8号車のメンバーとして常に一番に考え大切にし、ファンも応え、そうして今のみんなで作り上げ一体感のあるライブが生まれてきたのだ。

 

また、超特急は元々「非アイドル」を謳っており、先ほどのリスペクト韓流のコンセプトと比べ、割と最近までCDのジャケットにも非アイドルのシールが張られ自分たちのことをアイドルではない、と言い続けてきていた。だが、近年のリリースでは非アイドルのロゴもなくなり、本人たちもアイドルも非アイドルでも関係なく、「超特急」をまずは多くの人に知ってもらい新しいジャンルとして確立したい、と話していた。ライブでは生声で歌い、派手な演出や衣装替えがない中でどんなに盛り上げても、顔が良いし曲も自分達で作っていない限りはアイドルと呼ばれることがあるかもしれない。それに抗うのではなく、受け入れたうえで超特急として認めてもらいたい、という彼らの意思はとても強く、想いが伝わってくる。超特急のツアーとしても、年々キャパが広がり去年の年末年始には幕張メッセ横浜アリーナ大阪城ホールのアリーナツアーを成功させた後に今年は春に再度アリーナツアーを行い、12月には超特急の今年の目標であった念願のさいたまスーパーアリーナ公演も決定した。また、男性ファンのみを対象とした“男祭り”というライブも毎年開催しているのだが、こちらも年々動員数が増え今年の3月には渋谷クラブクアトロでソールドアウトさせ800人を盛り上げることに成功した。

 

 

メンバーが公言している「Mステに出たい」「紅白に出たい」という夢はまだ先かもしれないけれど、確実に8号車の数は増えているし男性グループの概念を変えているのは間違いない。

バックボーカルは7号車タカシだけになってしまったが、先日のアリーナツアー武蔵野の森総合スポーツプラザ公演での彼1人の歌声を聴き、変わらないどころか歌がさらにうまくなり、ダンサーも以前に増して満身創痍で迫力がありライブの楽しさは変わっていない。超特急にとっていきなり訪れた最大の困難1号車コーイチの脱退を乗り越え、パワーアップした彼らの今のライブをぜひ一度生で体感してほしい。まだ社会的にも認知度が低い男性グループの壁を、今度は乗り越えようとする超特急の姿に掻き立てられるだろう。どうせアイドルだから~の理由で避けられるのは悔しく、自分達で曲を作っていなかろうがビジュアルが良いだろうが、制度のある中で全力でパフォーマンスする彼らは間違いなくロックだ。

 

 

最後になるが、4月に脱退した1号車コーイチのことも宣伝させていただきたい。この投稿を読んでくれているロック好きの方には彼の歌声は確実に届くだろうし、実際コーイチは超特急メンバーのときにも作詞作曲をしておりボーカル2人だけのライブでは披露したこともあった(Youtubeには本名での「吉野晃一チャンネル」が開設されている)。

彼が好きなブラックミュージックに影響を受けたであろう、ここの曲はこれからもっと多くの人に聴かれるべきであるし、曲自体はまだ数曲しかアップされていないが一聴するだけで吉野晃一人間性が伝わるはず。また、超特急7人体制のときでも彼はいつでもライブに全力で、圧倒的な歌唱力の他にダンスもMCもうまかったので興味があったら見てほしい。いつだって嘘のない1号車コーイチがそこにはいる。

2019/8/9 超特急 EUPHORIAツアー @パシフィコ横浜

 

そこまで懸けてくれる想いに私たちは答えられているのだろうか

 

ファンの名称8号車にちなんだ8月8日は超特急にとって特別な日。昨日はチケットが取れず行けなかった為セットリストもMCのネタバレも避けたく、SNSを完全に遮断したうえで臨んだ。

 

アンコールで、自分たちの歌をもっと多くの人に知ってもらいたくて全力でパフォーマンスする彼らを見る度に思う。

メンバーの多くは今年25になる歳で、決して若手ではない。会社でも25歳というと入社3年目で仕事もようやく形になって評価され始める頃だ。実際に自分で考えてみても、彼らと同じ年の頃に将来この仕事を続けていくんだなって覚悟と慣れと諦めがついたし周りでも結婚を決めて地盤を固める人が多く出てきてた。

彼らもきっと周りにはそうゆう人生を歩んでいる友達が多いだろうし、自分たちでも違う道だと認識しているだろう。それでも表現者としての道を選んで、今日もパフォーマンスを届けてくれる。

 

自分たちの夢の東京ドームに連れて行きたいと。1人も欠けることなく着いてきてほしいと。涙を堪えながら訴えてくれた姿を見て、なんでそこまで懸けているんだろうとどこか冷静になって考える自分もいて。斜に構えて捉えてるのではなく単純な疑問として。

そしたら別のメンバーが、自分たちと一緒に走る人生は楽しいよと。この先楽しいことが待ってるなら辛いことも乗り越えていける。笑顔を届けたいんだと言い切ってくれて。そうか人生を楽しむ為に一緒に歩んでくれるのか。

 

ダブルアンコールで休養中のメンバーがプリントされた真っ黄色のTシャツで全力でグループ名を歌っている。自分たちの歌を存在を広めたいというひたすら真っ直ぐな歌詞とともに。覚悟決めて進んでるその姿は眩しすぎる。

 

25歳の男の子たちは目の前のファンに向けてこんなに愛を伝えてくれている。男の子っていう歳でもない、男性だ。人生を決めた本気の熱量をぶつけてくる。メンバーとファンの間にはなんの距離も壁もない。テレビに出られない理由とか彼らを取り巻く運営なんて関係ない。ライブ中の私たちの間にはお互いに対する想いだけがあって、私は彼らが伝えてくれて自分が受け取ったその想いがあれば周りがどうであろうとずっと付いていく。超特急が私に届けてくれたものは痛いほどに今日も愛おしかった。

 

言葉じゃ足りない程支えてもらっている。この想いもメンバーに届いていますように。いつもありがとう